実際、軽井沢移住してみてどうですか?
移住者先輩2組による本音クロストーク
移住して気づいた、
軽井沢と御代田での生活のリアル
櫻井(夫):大北ご夫妻は移住してちょうど1年なんですね。季節を一周り過ごしてみて、率直にどういう感想ですか。
こんなところが満足しているとか、不満とか、いろいろ感じるところがあると思うのですが。
大北(夫):満足度は高いですね。薪割りをしたり、焚き火をしたり、友人が家に遊びに来るようになったり。ライフスタイルや生活の質はガラッと変わったなあと思っています。
特に生活環境と子育て環境は最高です。二拠点で生活することで、いろいろと見えてくることはあります。
大北(妻):私は、御代田での生活を経験して、東京ってすごく便利だったんだなあということに気づきました。
やりたいことがあったらインターネットでパッと調べて、アプリを使って出前を頼んだり。急なことがあっても当日短時間子供を預けられたり、病児保育などのサービスも充実していましたし、ほかにも、思いついたことはたいていその日にその場で解決できてしまう。
でも、こちらでは東京の暮らし”そのまま”とはいかないんですよ。生活品はどこに買いに行こうか、いつ買いに行こうか、きっちりと考えてから行動する。ないものは自分たちで作る。
そういう意味では、自らいろいろ計画的に物事を進める習慣がついた。この不便さが逆に自分を成長させてくれたんじゃないかなって思っています。
櫻井(妻):そうなんですよね。こっちで生活をすると、車を持つことの面倒臭さとか、雪かきだったりとか、落ち葉掃除とか、いわゆる田舎の不便さは日々感じていて。
でも、そういったスローな暮らしが逆に心地良かったりする瞬間もある。お店は広くて買い物がしやすいし、店員さんの接客を見ていても気持ちのゆとりがある。流れている時間がゆっくりしていると、心にも余裕が出てくるんです。
櫻井(夫):私は東京に新幹線通勤していることもあって、軽井沢に戻ってくると、張り詰めていた気持ちのスイッチがオフになる感覚がありますね。
もともと自分はワーカホリック気味で、それを改めようと思って軽井沢に移住してきたので、そういった点では理想どおりの生活だなあと。
でも大変なこともたくさんあります。特に冬だと思うんですが。
大北(妻):そう、冬の寂しさはありますよね。私は職場の机の前に窓があるんですけれど、冬は景色に色がなくなりシーンとしている。外を歩くにしても寒いので、動こうとする気も起きなくなってしまって。
そういう意味では東京では、歩けばすぐにホットヨガのスタジオがあったなあなんて、懐かしく思います。冬は一体何をしたら汗を掻くんだろうと思い、温泉に行く。かわりにそういった楽しみはありますけれど。
櫻井(妻):移住して4シーズン経っても毎年感じますが、軽井沢の冬は長いですからね。
四季でいうと、春夏秋冬冬冬みたいな感じでとにかく長い。さすがに冬の後半には気持ちが沈みがちになります。でも、薪ストーブのある暮らしなど、冬ならではの楽しみ方もあるんです。
薪ストーブに毎日火をつける生活なので、暖を取るだけでなく、料理をしたり、ドライフラワーを作ったりもしています。
私はもともと火が苦手で、それこそライターもつけられなかったんですけれど、斧を振って薪割りもできるようになりましたし、今では夫には薪の組み方をアドバイスするくらい、たくましくなってしまいました(笑)
櫻井(夫):こちらで生活をすることって、もちろん不便なことや、東京に比べて大変なことがたくさんあるんですけれど、そういった便利か不便かといった単純な物差しでは測れないような、軽井沢ならではの暮らしの豊かさがあるんですよね。