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営む場所として、そして住まう場所として『佐久』を選んだ人たち

営む場所として、そして住まう場所として『佐久』を選んだ人たち

class vesso西軽井沢から車で約20分。佐久は軽井沢町の南西に隣接するエリアで、長野県のなかでも移住者が多いことで知られています。そんな佐久に移り住んだ移住者たちの『現在のライフスタイル』、そして『農と食』を辿るイベントが先日ありました。

有機栽培で野菜を育てる人、山羊や植物の種子を育てる人、山羊や牛の乳からチーズを作る人、それらの生産物を利用して料理をするシェフ・・・。移住者である彼らが「営む場所として、そして住まう場所」として佐久を選んだ理由。それは佐久の『気候』『水』『肥沃な大地』『人』そして『つながり』のように思います。
ずっと長野に住みつづけている人にとっても、その素晴らしさを再認識させられるイベントでした。

寒暖差と日照時間がもたらす大地の恵み

突然ですが、高原の野菜はなぜ美味しいかご存知ですか?
高原で採れる果物は、なぜあんなに甘いのでしょう?

今回のイベントで訪ねたのは、長谷川純恵さん、磯村聡さんの畑。ちょっと失礼して畑の野菜をつまみ食い・・・たくましい味!いつまでも口の中に余韻があり、主張を続けてきます。日ごろ、漠然と「おいしい、甘い」と感じていた農作物の味。その理由は鮮度と1日の寒暖差だと漠然と知っていましたが、その自然のメカニズムを聞いて驚き、納得しました。

通常、日中に日光を浴びた植物は、光合成によりデンプンを蓄えますが、夜は植物の呼吸でデンプンを分解してしまうのだそう。しかし、夜の気温が低いと、植物は自分の身を守るため呼吸を抑え、いわゆる「眠り」の状態に入ります。そのことで昼間作ったデンプンは消費されず、糖としてそのまま蓄えられ作物は甘くなる。
つまり、美味しい作物を作るには『夜、低い温度でぐっすりと眠らせる』ことが大切だというのです。

日中は30度近くまで上がる気温ですが、夜には10度台まで冷え、窓を開けて寝ると、うっかり風邪をひいてしまうくらいの佐久の夏。さらに佐久は、全国トップレベルの日照時間・晴天率を誇ります。植物にとって、これほどの好条件がそろう場所は、なかなか無いかもしれません。
営む場所として、そして住まう場所として『佐久』を選んだ人たち
農薬や化学肥料を使わない有機栽培は、土が命。苗を植える前、種をまく前の土にこそ神経を注ぐそうです。その後はむしろ手を加えない、水すらも自然に降り注ぐ雨にまかせ、雑草とも共存する関係。雑草の根についた微生物から好影響をうけたり、葉についた朝露から水分を得たり。ほんとうに「自然のまま」の状態で育てるので、虫にも病気にも負けない丈夫でたくましい野菜が育つのです。
営む場所として、そして住まう場所として『佐久』を選んだ人たち

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