御代田移住の先輩に聞く「移住して良かったですか?」イベント2019レポート(前編)

クラスベッソ西軽井沢では、信州移住を応援するトークイベントや移住ツアーを開催しています。好評だった昨年に続き、今年も銀座NAGANOで開催された移住イベント「子育て環境に自信!長野県御代田町で叶える“ちょうどいい”暮らしの魅力」でのトークセッションの様子を前後編で振り返っていきます。
データが示す「子育てファミリー」が多く住む御代田町
御代田町(みよたまち)は、軽井沢と佐久市のちょうど中間に位置し、世田谷区ほどの面積に約1.5万人が暮らしています(ちなみに世田谷区の人口は90万人(!)です)
実は、この御代田町は軽井沢や佐久など東信エリアに移住をしたい人たちから注目をされている町なんです。ひとつは人口。長野県にある77市町村のうち、2018年に人口が増加したのは3町5村のみ。そのうちのひとつが御代田町という人口減少がつづく日本のなかでも珍しい自治体なんです(プレスリリース・長野県(企画振興部)2019年1月31日)
さらに細かく見ていくと、近隣市町村と比べ19歳以下の人口割合が一番多く、65歳以上の人口割合が一番少ないという「子育てファミリー層が多く住む町」という特徴がデータから浮かび上がってきます。今回は、御代田へ移住してきた子育て世代の先輩をプレゼンテーターに迎え、リアルな御代田移住トークを繰り広げていただきました。
登壇者プロフィール
和田 真弓さん

中間 久雄さん

ファシリテーター/荻原 哲也さん

御代田に移住して良かったこと、戸惑ったこと
和田さん:良かったことは、やはり自然が豊かなことですね。浅間山が日々見えますし、野鳥が庭に飛んでくることもしばしば。豊かな自然に囲まれながら、子供たちと日々楽しく生活できることが一番良かったと思います。あとは、春に咲く花の多さや冬の雪の結晶の美しさなど、小学校への通学路の30分でさえ四季折々きれいなものに囲まれて、日々さまざまな発見ができる。そういう所も素晴らしいと思っています。横浜は便利だったんですけど、まったく違う生活です。
荻原さん:小学校まで30分という距離、最初は遠く感じましたか?
和田さん:横浜に住んでいた時は徒歩15分を「ちょっと遠いな」と思っていたので最初はとても心配でしたが、先生に「和田さん家は徒歩30分だから近い方ですね!」と言われました(笑)でも子どもはすぐに慣れて、今ではお友達の家まで遠回りして遊びながら帰ってくるほどで、心配することはなかったなと感じています。
荻原さん:首都圏から移住を希望されるご家族の方も“徒歩30分”って敬遠されることが多いんですが、実際には50分近く歩くような地区もありますよね。遠くから通学している子どもは体力など違ったりしますか?駆けっこが早いとか(笑)
和田さん:うちよりも遠い家に住んでいる子どもが、学校のマラソン大会で1位になっていたので(笑)やっぱり通学距離の効果はあるんだなって思います
荻原さん:町内には高校が無いので、お子さんが高校に行くことを考えて、御代田の駅までは自転車でいける距離でお住まいを探す方もいらっしゃいますね。駅まで自転車に乗って電車で上田や小諸など最寄駅に行き、そこでもう1台の自転車に乗り換えるという。自転車2台が必要って聞いたりもします
中間さん:わたしは御代田の中心地に昨年家を構えたんですが、学校まで徒歩5分で行けるところを選びました。田舎暮らしって皆さん「自然が豊かで気候がいいけど、生活が不便」というイメージがあると思いますが、御代田は近隣の佐久・軽井沢・小諸が充実しているので都会よりも便利じゃないかなと思うことがあり、そこが移住してよかったなと思いますね。週末の買い物などは車で10分ほどの佐久市へとよく出かけます。大きなショッピングモールがあったりして、子どもを遊ばせながら買い物ができて気晴らしになるというか。もっと都会の長野市まで行く必要がないのがいいですね。
荻原さん:買い物もそうですけど、お子さんとカラオケに行きたい、映画を見たい、子供向けのおもちゃを買いたい、ニトリで家具を買いたいなどは佐久市に行けば大抵ありますね。車で10分くらいなら遠くない距離だと思います。ちなみに佐久と逆側にある隣町、軽井沢にはどのような時に行かれるんですか?
中間さん:軽井沢はアウトレットもありますがデートスポットも多い場所です。わたしも4年前にプロポーズした場所は軽井沢のイルミネーションの前でした(笑)そういう人が結構多いですよ
荻原さん:(笑)御代田が近隣と「ちょうどいい」距離感という意味がしっくりきますね。逆に移住して困ったことや戸惑ったことはありますか?
和田さん:大きな困り事はないのですが、サッカースクールやピアノの教室が徒歩圏内になくて、送迎が不便だなと思ったりはします。
御代田の子育ては首都圏と違う?
荻原さん:朝のスケジュールを教えていただけますか?
和田さん:中学校は朝7:30から部活の朝練が始まりますね。小学校は朝7:30からが登校時間なんですが、子どもたちはそれより前に行って校庭で遊んでいます(笑)下校時間が横浜に住んでいた時より遅いので、友達と遊ぶのが放課後ではなく朝に変わったんですね。必然的に早起きの生活に変わりました。
荻原さん:勉強面はどうでしょうか?進学塾などには通っていますか?
和田さん:横浜では、小学校高学年になると宿題がどんどん減っていったんですが、御代田に来たら学校から宿題がたくさん出て最初は子ども達も戸惑っていました。でもそれは“塾に通わなくても自宅学習で大丈夫なように”という学校側の配慮なんです。それを知っていわゆる進学塾には行かせていません。公文に行くくらいで、安心して学校にお任せしています。それに目の届く家庭学習の時間が増えたので、どんな勉強をしているのか把握できるようにもなりました。中学になると塾に通いだす子もいますが、親の送迎が必要なので全員が行く感じではないですね。
町内に「区」?御代田のコミュニティ事情
荻原さん:移住したい人が気になるのが、地元でのコミュニティだと思います。御代田はどうなんでしょうか。
中間さん:住んでいる地域ごとに区という自治会がありまして、一戸建ての人はその自治会に入るのが通例になっています。わたしもアパート暮らしの時には関係なかったんですが、昨年家を建てたのをきっかけに区に入りました。入る前は「馴染めるかな、面倒くさいかな」という気持ちもあったんですが、入ってみると移住者を大事にしてくれるのをとても感じます。平日など仕事の都合で出れない人もいるんですが、参加できる人だけいうスタンスなので安心しています。
和田さん:ごみ捨て場を利用でき、お祭りにも参加できるなど、地元とのつながりを持つために区に入りました。もちろん入らない人もいるんですけども、うちは地元情報やつながりがあった方が良いと思い、積極的に参加しています。この前参加したのが、昔ながらのお祭りで「わら馬まつり(道祖神祭り)」です。様々な大きさで出来た手づくりの馬をひく、とても可愛いお祭りです。
荻原さん:地域コミュニティって首都圏に住む人から見ると「絶対入らなきゃいけない」というマイナスイメージを持つ人も多いのですが、「区に入会して行事に参加してほしいが、仕事を休んでというような強制力があるものでは無い」とのことなので、その辺りも移住者にとって気持ちが楽になるポイントだと思います。
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